« 「経験」から学べること・・・ | トップページ | 帰宅すると、かわいらしい文字で書かれたお礼状が・・・ »

野家先生の言葉

先ほど手元に届いた、有斐閣『書斎の窓』
巻頭、科学哲学者の野家啓一氏の文章が興味深い。

内容は、科学者に求められる倫理綱領が、時代によって変遷しているというもの。

20世紀の半ばまでのそれは、「真理の探求」であって、アメリカの社会科学者ロバート・マートンはそれを1949年に「CUDOS」とまとめているという。

① Communality 公共性
② Universality 普遍性
③ Disinterrestedness 利害の超越
④ Organized Skepticism 系統的懐疑主義

だがしかし、これらは必ずしも守られたわけでは無く、よく知るようにマンハッタン計画など、国家や企業目的のために科学者が奉仕する時代が続いた。

イギリスの科学哲学者ジョン・ザイマンは、この傾向を1994年に「PLACE」とまとめたという。

① Proprietary 知的所有
② Local 局所的研究
③ Authoritarism 権威主義
④ Commissioned 委託研究
⑤ Expert 専門家

科学者が専門化された領域に止まり、権威主義的に振る舞うと同時に、知的所有権を保持して、企業や国家の委託研究に邁進する姿を現している。

その帰結がどういうものとなっているか、野家は明らかであり、特に「3・11」以降の我々には、その反省が求められているとして、それを「RISK」とまとめる。

① Reliability 信頼性
② Intergenerational Ethics 世代間倫理
③ Socio-Culutural Literacy 社会文化的リテラシー
④ Knowledge-Product Liability 知識の製造物責任

今、我々が課せられている責務は、科学技術のあり方そのものを、再考することであると指摘しているのだ。

けだし、まっとうな指摘だと思う。

よく考えるために、忘れないための、メモ。

|
|

« 「経験」から学べること・・・ | トップページ | 帰宅すると、かわいらしい文字で書かれたお礼状が・・・ »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/530234/56885504

この記事へのトラックバック一覧です: 野家先生の言葉:

« 「経験」から学べること・・・ | トップページ | 帰宅すると、かわいらしい文字で書かれたお礼状が・・・ »